大阪市を4つの特別区に再編する、いわゆる大阪都構想の是非を問う住民投票が行われ、僅差(1万7千票差)で否決されました。
5年前にも、同じ投票が行われ、こちらも僅差(1万票差)で否決されています。
この2回の選挙、結果はどちらも否決でしたが、1回目の投票は大阪維新の会VSその他政党で、2回目の投票は大阪維新の会+公明党VSその他政党と、政党同士の駆け引きもありました。
国政では、維新と自民は仲が良さそうなのに大阪では対立していたり、公明党に至っては、自民と蜜月に見える(しか見えない)のに、大阪では維新に寄っていたり、大阪はやっぱり東京都は違うなぁという感想を持っていました。
1回目の投票で僅差で負けた維新ですが、今回は公明党という強い結束を持つ党を味方につけたので、外から見ていると、今回は賛成多数になるかと思っていましたが、ふたを開けてみると、公明党の中でも、反対票を入れた人のほうが多かったという結果に、維新側も自民側も驚いたことと思います。公明党の強みって組織票じゃなかったのか…と。
ただ、私が思うのは、どちらにしても、この2回の投票で、大阪市の住民の方々は、否応なしに、大阪市という自治体の将来を、真剣に考えたんだろうなと思います。流されて賛成、流されて反対の人もいたでしょうが、多数の人は、程度の差はあれ、「どちらが大阪市のためなのか、自分たちのためなのか」を、考える機会になったのではないかなと。
住民が自治体の在り方を直接考えて住民投票で意思を表明する機会なんて、普通は一生ありません。そもそも、住民投票で自治体の在り方を決める機会は、大阪市のような特別区に再編される場合か、市町村が合併する際に(一定条件のもと)行われる住民投票くらいしかありません。
普通の人は一生無縁である自治体の在り方・将来を決める住民投票を、大阪市の人は、5年のうちに2回も行ったわけです。
5年のうちに2回も、自分たちが自分たちの住む自治体の在り方を真剣に考える機会なんて、大阪市を除いて日本のどこにもありません。
この1点だけで、大阪市はきっと良くなっていくんだろうな、と漠然と感じています。
自治体にどのくらいのお金があり、どのくらいの余力があるのか。今受けている住民サービスは、税収と比べて適切なのか過剰なのか。過剰な場合、どこかでお金が足りなくなったらどこを削るのか。
自治体の財源は無限なわけではないですから、今までは無尽蔵に「もらえるものはもらえ」精神だったとしても、この投票を機会に、賛成派も反対派も、大阪市の財源の状況や、他の自治体と比べた住民サービスの手厚さ(手薄さ)を、聞いたり感じたりしたと思うのです。
前回も今回も、大阪市民の方々は、大阪市を政令市として残すという判断をしたわけですが、その中で、大阪市の恵まれていたところ、足りなかったところを感じたのであれば、それはきっと、今後の住民の動き(例えば市長や議員を決める選挙だったり)に反映されていくと思います。つまり住民自治です。
住民自治が生きている自治体は、自治体として強いと私は考えています。何も考えずに過ごす住民が多い自治体よりも、積極的に自治体のことを考える住民がたくさんいるほうが、選挙も積極的になりますし、議会や役所も、住民の声を拾おうとするはずです。そういった、住民の声を真剣に考える議会や役所があり、住民もサービスや福祉を求めるだけではない自治体は、強いです。
ですので、今回は、大阪市は大阪市のまま残ることが決まり、「大阪市」としての形は何も変わらないことになりましたが、それでも大阪市は、これからきっと、良くなっていくんじゃないかと感じており、関西の1番の大都市である大阪市の今後の発展を、これからも見ていきたいと思っています。
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