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ワーキングマザー目線で少子化の原因と対策を考える

 

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前回の続きで、今回は、ワーキングマザー目線で、少子化の原因と対策を考えてみたいと思います。

 

 

 

 

 

少子化の原因

 

少子化の原因として、私は、初婚年齢の上昇、若年層の所得の減少、子どもの教育費負担の増加、育児負担の女性への偏りがあると考えています。

 

 

初婚年齢の上昇

 

2019年の女性の平均初婚年齢は29.4歳、第一子平均出産年齢は、30.7歳です。これは、合計特殊出生率2.0以上を維持していた1970年と比較すると、どちらも約5歳分、現在の30代半ばの方が生まれた1985年と比較しても、どちらも約4歳分、初婚年齢が上昇しています。

 

 

初婚年齢、第一子出産年齢、合計特殊出生率を一覧にしました。

 

初婚年齢

第一子出産年齢

合計特殊出生率

1955年

23.9歳

2.37

1960年

24.4歳

2.00

1965年

24.5歳

2.14

1970年

24.2歳

2.13

1975年

24.7歳

25.7歳

1.91

1980年

25.2歳

26.4歳

1.75

1985

25.5

26.7

1.76 ※男女雇用機会均等法

1990年

25.9歳

27.0歳

1.54

1995年

26.3歳

27.5歳

1.42

2000年

27.0歳

28.0歳

1.36

2005年

28.0歳

29.1歳

1.26

2010年

28.8歳

29.9歳

1.39

2015年

29.4歳

30.7歳

1.45

2018

29.4

30.7

1.42

 

 

 

日本は、まだまだ「授かり婚」に寛容な国ではありませんから、初婚年齢が上昇すれば、必然的に第一子平均出産年齢も上昇します。

 

 

なぜ、初婚年齢が上昇したのか。

これは、女性の社会進出の増加が原因です。

 

女性の社会進出が始まったのが、1985年に男女雇用機会均等法ができてからだと仮定します。

1985年より前の30年間では平均初婚年齢は1.6歳上昇しか上昇していませんが、1985年からの30年間では4歳も上昇しています。

 

 

男女雇用機会均等法施行により、女性は、男性と同様に総合職でも就職できるようになり、男性も女性も働き同じようにキャリアを積むことができるようになりました。

 

しかしこれは、形式的に法律上男女の雇用機会の均等が整っただけで、実際は、総合職で就職した女性が、出産後も働き続ける環境は整っていませんでした。

 

当時の平均初婚年齢は25.5歳、第一子出産年齢は26.7歳です。22歳で大学を卒業し(院卒なら24歳)、3年経ったら平均初婚年齢の年になります。1985年当時は、まだまだ世間は寿退社の時代です。育児休業制度も整っていません。それまで大卒でもお茶くみ要員や花嫁要員としてしか雇ってもらえなかった中(語弊があったらすみません)、やっと手に入れた、男性と同じ土俵で働ける環境を、たった3年で手放すことができるでしょうか。

 

法律施行後の合計特殊出生率を見ると、1985年には1.76だったものが、10年後の1995年には1.42になっています。

 

法律が施行された1986年に22歳の女性は、1995年には31歳です。それまでの第一子出産年齢を考えれば、第一子、第二子を出産し終わっている年齢です。

 

法律の施行後、合計特殊出生率は減りました。当たり前です。だって、キャリアを取るか子どもを取るかの2択しかなければ、キャリアを取る女性だって一定割合でいるでしょう。高学歴であればあるほど、その傾向は高まります。

  

 

ただ、1982年の女性の大学進学率は12.2%(男性は37.9%)ですから、1986年の法律施行時に、男性と同じキャリアを歩んだ女性は、女性全体の中ではおそらく少数派です。

 

 

 

そうしているうちに、1995年からどんどん初婚年齢が上がってきました。20年間で3歳以上です。

 

これは、女性の進学率の上昇とリンクします。女性の大学進学率は、1982年が12.2%だったものが、1992年には17.3%になっています。男性は、37.9%から35.2%に減っているにもかかわらずです。

 

そうなると、まず、女性の出産年齢の上限の観点から、結婚後の1人の女性が生涯に生む子どもの数も減ります。3年分年齢を重ねると、それだけ(特に最後の子どもの)妊娠がしにくくなります。

 

また、退職年齢の60歳から逆算すると、親の年齢が40歳以上になれば、子どもを作ることに躊躇することもあります。子どもが大学生の時、つまり一番学費がかかるときに退職年齢に到達するとなると、金銭面の不安が大きく出てきます。

 

というわけで、初婚年齢の上昇は、少子化に直結します。

 

 

 

若年層の所得の減少

 

初婚年齢も上昇していますが、若年層の所得の減少により、そもそも結婚できない人も増加しています。

 

2019年の正規雇用者・非正規雇用者の数と割合をまとめました。

 

25歳~34歳

 

正規雇用者数(割合)

正規雇用者数(割合)

全体

788万人(75.2%)

260万人(24.8%)※1

男性

486万人(85.4%)

83万人(14.6%)※2

女性

301万人(63,0%)

177万人(37.0%)※3

 

35歳~44歳

 

正規雇用者数(割合)

正規雇用者数(割合)

全体

891万人(71.3%)

359万人(28.7%)

男性

614万人(90.7%)

63万人(9.3%)

女性

277万人(48.4%)

295万人(51.6%)

(2009年の24歳~35歳(この層の10年前の状況))

全体

885万人(74.3%)

306万人(25.7%)

男性

584万人(86.1%)

94万人(13.9%)

女性

301万人(58.7%)

212万人(41.3%)

 

45歳~54歳

 

正規雇用者数(割合)

正規雇用者数(割合)

全体

926万人(67.9%)

437万人(32.1%)

男性

651万人(91.3%)

62万人(8.7%)

女性

275万人(42.3%)

375万人(57.7%)

(2009年の35歳~44歳(この層の10年前の状況))

全体

930万人(73.0%)

344万人(27.0%)

男性

683万人(92.4%)

56万人(7.6%)※4

女性

247万人(46.2%)

288万人(53.8%)

 

これによると、現在、結婚適齢期とされる25歳~34歳の非正規割合は24.8%(※1)、男性の14.6%(※2)、女性の37.0%(※3)が非正規雇用です。

 

もちろん、独立や個人事業主など、働き方も多様化していますから、一概に正規非正規の雇用率だけで測れるものではありませんが、それでも雇われている25歳~34歳の4人に1人が非正規雇用であることは事実です。

 

正規雇用では、一人暮らしでさえ安定的な生活は難しいですし、恋愛も婚活もままなりません。

 

男性の非正規雇用の14.6%については、婚活の場で結婚相手として選ばれるのはかなり難しいと推察されます。(こういう区分けは個人的に好きではないですが端的に説明しました。)

 

となると、人口における男女の人数はおよそ同じくらいですから、14.6%の女性も、人数としてあふれ出てしまい結婚するのは難しくなります。25歳~34歳の世代の30%弱は、経済的な理由から結婚できない、となります。

 

 

2015年の55歳時点の未婚率は、男性が23.4%、女性が14.6%です。この年齢以降に初婚で結婚する人は少数なので(結婚しても出産は難しくなるので)、婚姻率はこれが上限と仮定します。

 

2015年時点の55歳の世代は、上の表でいうと2019年の44歳~54歳の世代です。この世代の男性の34歳~44歳のときの非正規雇用率は、7.6%(※4)です。この非正規割合の時代の未婚率が、男性23.4%女性14.6%なのです。2019年の25歳~34歳の非正規雇用率は14.6%(※2)で、55歳世代のほぼ倍です。

25歳~34歳世代がこのまま55歳になると、経済的に不安定で結婚できないままで年齢を重ね、未婚率がもっと上がる(倍になる)可能性があります。

 

 

 

 

教育費負担の増加

 

1990年には24.6%だった四年制大学への進学率は、2019年には53.7%になり、2人に1人以上は四年制大学に進学する時代になりました。

 

大学の授業料(年額)を見ると、過去30年でおよそ私立大学は1.8倍、国立大学は2.12倍になっています。

 

国立大学

私立大学

1985年

252,000円

475,325円

1990年

339,600円

615,486円

1995年

411,600円

708,847円

2000年

478,800円

783,298円

2005年

520,800円

817,952円

2010年

535,800円

851,621円

2015年

535,800円

864,384円

 

子ども医療助成制度の拡充や、幼児教育無償化、高等学校無償化などにより、高校までの学費や生活費については、負担が軽減される傾向にありますが、大学進学率の上昇と大学の授業料も値上がりにより、高校卒業以降の学費の負担が大きく、家庭の教育費負担が増加しています。

 

公教育への不安から、進学のための学習塾などの費用負担も重くなっています。

 

また、子どもを産む世代の進学率自体が上がったことで親が高学歴化し、「子どもも大学進学が必須」と考えて家計や家族計画を立てるため、子どもの学費を考えて子どもの数をコントロールすることも増えています。

 

大学進学率が低い時代は「兄弟の中で賢い子だけが大学へ」(ひと昔前なら長男だけが大学へ)ということもありましたが、2人に1人が四年制大学に進学する時代になると、そういうわけにもいかなくなります。2人兄弟だと2人とも大学に行くということになり、親もその希望に対応しなければならないと感じるようになります。

 

これが、特に2人目、3人目の子どもを産む際のハードルになっています。

 

 

育児負担の女性への偏り

 

この20年で、社会保険料や税金の負担増により、給料の手取りは大きく下がっています。

 

以前に読んだ本で(本の名前を忘れて検索できず)、上場企業の代表取締役

「20年前は45歳の社員に700万円を渡せていた。いまは500万円になっている。下がった200万円は、パートなどで奥さんに補填してもらうしかない状況。(なので共働きが増えており、その対策を講じなければならない)」というような内容のことをおっしゃっていました。

 

給料の手取りの減と、教育費負担の増加により、共働き世帯が増加しました。

 

しかし、男性の育児参加については、共働き世帯の増加に比例するほどは上昇してはいません。2019年のデータでは、女性の育児休業取得率82.2%に対し、男性の育児休業取得率は6.2%です。

 

男性の育休取得率の低さの理由についてはここでは割愛しますが、育休取得率が女性に偏るということは、その後、仕事に復帰した後も、育児負担が女性に偏るということにつながります。育休を取得しない男性が、保育園お迎えのための時短勤務を取得することは、ほぼありません。

 

 

現在のアラフォー世代以降は、男女等しく教育を受けています。仕事も、子どもを産むまでは男性と同じように働いています。

 

学校を卒業し就職し、出産するまでは男性と同じように働いて評価されてきたのに、出産すると途端に自分だけが育児を負担し、子どもを産む前と同じように働けない、評価もされない状況になったとき、それを受け入れて楽しめる女性ならいいのですが、そうでない人には不満がたまります。

 

子どもを育てるには、とてつもなく膨大な労力が必要です。この労力は、働きながら一人ですべて負うのはすごく大変です。

 

 

子どもが2人、3人と増え、自分だけさらに負担が増えるとなると、女性が出産を躊躇してしまうことになるのは、自明のことです。

 

 

 

少子化に対する対策

 

ではどうすればよいのか。私の考える少子化対策を説明します。

 

 

正規雇用でも結婚できるような経済的な支援体制

 

現在の若年非正規雇用者が、正規雇用になるような方策があればいいのですが、現在の日本の企業の状態では、正規雇用率をすぐに上げるのはかなり困難です。

 

なので、非正規雇用の所得でも結婚ができるよう、共働きができる環境を整える、低所得でも居住できる若年層向け住居を提供する、若年低所得層夫婦への家賃補助を行う、若年子育て世帯への税の減免、社会保障費の一時的な軽減など、若年非正規雇用者の住居費を下げ、手取りを上げて、非正規雇用者同士の結婚であっても、二人いれば生活ができて何とか子育てもできるくらいの支援ができれば、婚姻率や出生率は上がります。

 

 

 

女性のキャリア形成への支援

 

正社員女性が、出産後も男性と等しくキャリアが積んでいけるようなキャリアプランを示し、特に高学歴女性の晩婚化を食い止める必要があります。

 

例えば、育児休業期間をマイナス評価しないようなルール作り、男性の育休推奨(義務化)、企業の管理職の女性割合を一定以上に保つよう制度化するなどです。

入社時は男女比が1:1なのに、その後、管理職や幹部が男性ばかりになるのは、やはり女性のキャリア形成ができているとは言えません。男性も育休を取得するのが当たり前になれば、女性の育休をマイナス評価することも減っていくでしょう。

 

また、出産後、保育園に入られずに退職になってしまうような待機児童問題は、最大のキャリア中断ですから、早急に待機児童問題を解消する必要があります。保育園の定員を緩和する、保育士の給料を一時的にでも上げるなど、「産んでも保育園についてはとりあえず大丈夫」という状態を作る必要があります。

 

 

教育費負担の軽減

 

教育費負担については、現在高等教育の無償化が始まっていますが、これは、高校については世帯年収900万円程度までという所得制限があり、大学の無償化に至っては生活保護・非課税世帯などの低所得世帯のみが対象です。

 

これでは、教育費負担が大きいことを懸念して複数の子どもを持つことを躊躇する世帯に、もう一人産んでもらうことはできません。

 

今の教育費無償化の政策は、「今困っている子どもたちを助ける」ための政策です。低所得家庭の子どもたちが、今、大学に行きたいのに行けないので困っているため低所得者層の無償化という施策になるのです。

 

しかしこれでは、「将来の」少子化対策にはつながりません。少子化対策につなげるためには、「将来困りそうだから(子どもをつくるのを)辞めておこう」という層に働きかける必要があります。

 

したがって、すでに子どもがいる夫婦に、もう一人産んでもらうためには、例えば第3子以降については所得制限なく大学まで全て無償化するなど、将来に向かった、大胆な教育費負担の軽減が必要です。第3子以降は大学まで無償になることになれば第3子を作ろうと思う、すでに子どもが2人いる家庭は、かなり多いと思います。これは、「今困っている人」を助ける政策ではないので、例えば18年後から始めるのでもかまいません。大切なのは「将来」に目を向けることです。

 

 

不妊治療費の保険適用

 

今困っている人への対策としては、不妊治療の保険適用が考えられます。不妊治療の保険適用も検討するべきです。

 

ただ、現在不妊治療が増えているのは、主に晩婚化による女性の高齢化が原因であり、見境なく不妊治療の保険適用を行うと、妊娠の可能性が低い高齢になっても、不妊治療を止めない(止められない)ということになりかねません。

 

そこで、保険適用の範囲を35歳に絞る、結婚していなくても35歳以下で卵子精子の凍結保存をする場合は保険適用とする、がんになり抗がん剤治療など妊孕力(妊娠するチカラ)の下がる治療が必要な人はその前の不妊治療を保険適用とするなど、保険適用の範囲を一定程度絞る必要があると思います。

35歳までに保険適用で卵子凍結ができれば、その後結婚し40歳を超えて不妊治療に取り組む際にも、妊娠できる可能性が上がるでしょう。

 

女性が妊娠できる期間は限られており、エビデンスも蓄積されつつありますから、限られた期間内に積極的に不妊治療にアプローチできるような働きかけが必要です。

 

 

以上、ワーキングマザー目線で、少子化の原因と対策を考えてみました。

 

少子化の原因は複合的で、これをやれば解決!というわけではないので、一点集中の政策ではなく、複合的なアプローチが必要です。

 

そしてそのアプローチは、将来に向けてのものである必要がありますが、将来に向けた提案は、今の困っている人の助けにならないため選挙の票につながりません。したがって、今の票が欲しい政治家は積極的に発言しにくくなります。これが少子化対策の難しいところです。

 

本日、自民党の新しい総裁が決まりました。新内閣ではぜひ、多角的な観点から広く施策立案ができ、将来に向けた対策への実行力がある少子化担当大臣を選んでもらいたいなと思います。

 

 

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