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終戦の日に想いを寄せて 2021

 

本日8月15日は終戦の日です。

 

 

 

今年は、映画「日本の一番長い日」を観ました。

 

原作は半藤一利さん。

(ただし初版については、半藤さんが文藝春秋新社の社員だったころのもので、会社の都合で「大宅壮一編」として出版されています)。

 

 

映画は、1967年と2015年の2回製作されており、両方観ました。

 

 

1967年版では後姿しかうつされていなかった昭和天皇を、2015年では本木雅弘さんが演じられており、言葉や動作で昭和天皇を表現されていたところが、1967年版と大きく異なるところでした。

 

 

モッくんさん、すごい役者さんでした。

 

 

昭和天皇の前に見ていたのが、大河ドラマ麒麟がくる」での斎藤道三のモッくんだったので、動から静への演技の振れ幅というか、演じ分けられている人物像の広さに驚きました。

 

 

 

 

ただ、太平洋戦争やポツダム宣言受諾に関する、昭和天皇の思いや心の機微が丁寧に表現されている2015年版の演出は、昭和天皇が存命の時代には実現できなかったであろうと思います。

 

 

 

 

 

2015年版の映画は、鈴木貫太郎が首相就任を打診されるところから始まります。主たる登場人物は、昭和天皇(演:本木雅弘)、鈴木貫太郎首相(演:山崎勉)、阿南惟幾陸軍大臣(演:役所広司)です。

 

 

 

物語は、7月下旬にポツダム宣言が発令され、8月14日にポツダム宣言を受諾して玉音放送を録音、クーデター決起と阻止、そして阿南陸軍大臣が自殺するところまでが描かれています。

 

 

 

この映画を見るまで、私は阿南惟幾陸軍大臣を、ポツダム宣言受諾に最後まで反対して、最後に自殺した軍人としか理解していませんでした。

 

 

 

しかし映画では、阿南惟幾がいかに陸軍内部の暴発を食い止めようとしたのか、そのためにどのような策を遂行したのかが丁寧に描かれています。

 

 

 

鈴木貫太郎阿南惟幾は、昭和天皇侍従長及び侍従武官としてともに天皇に仕えた時期があります。(ちなみに鈴木貫太郎の妻は、昭和天皇の幼年期の教育係です。)

 

 

鈴木貫太郎は海軍、阿南は陸軍の軍人であり、軍人として出身母体が異なりつつも(そして海軍と陸軍は仲が悪い)、共にポツダム宣言受諾という昭和天皇の意向をかなえるべく、手段や方法は異なりつつも、あの日あの時に取れる最善の行動を尽くしたことが、映画から理解できます。

 

 

 

8月14日の夜、秘密裡に録音された玉音放送のテープを何とか奪おうとするクーデター軍(軍人)と、それを必死に守る宮内庁職員(とてもひ弱な人たちとして描かれている)のだまし合いや、終戦詔書の中の一言について何時間も議論する内閣の様子など、敗戦に向け1945年8月14日に起きた出来事を、どちらかというと淡々と描いており、ポツダム宣言受諾に至る経緯や、戦時中の軍部と内閣の動きというものを後世に残す資料として、とても価値があるだろうと思います。

 

 

 

映画中、最後まで喧々諤々の議論がなされていた終戦詔書の文言と、有名な「耐えがたきを耐え、忍び難きをしのび」の前後の文章を紹介して、この文章を終えたいと思います。

 

 

 

終戦の日に想いを寄せて。2021年8月15日。

 

 

 

 

終戦詔書

 

 朕深ク世界ノ大勢ト帝国ノ現状トニ鑑ミ非常ノ措置ヲ以テ時局ヲ収拾セムト欲シ茲ニ忠良ナル爾臣民ニ告ク

 

(私は、深く世界の大勢と日本の現状に鑑み、非常の措置をもって時局を収拾しようと思い、忠義で善良なあなた方臣民に告げる。)

 

朕ハ帝国政府ヲシテ米英支蘇四国ニ対シ其ノ共同宣言ヲ受諾スル旨通告セシメタリ

 

私は帝国政府に米国、英国、中国、ソ連の4カ国に対しその(ポツダム)宣言を受諾することを通告させた。

 

 

抑々帝国臣民ノ康寧ヲ図リ万邦共栄ノ楽ヲ偕ニスルハ皇祖皇宗ノ遺範ニシテ朕ノ拳々措カサル所

 

(そもそも帝国臣民の安全を確保し、世界の国々と共に栄え、喜びを共にすることは、天皇家の祖先から残された規範であり、私も深く心にとめ、そう努めてきた。)

 

 

曩ニ米英二国ニ宣戦セル所以モ亦実ニ帝国ノ自存ト東亜ノ安定トヲ庶幾スルニ出テ他国ノ主権ヲ排シ領土ヲ侵スカ如キハ固ヨリ朕カ志ニアラス

 

(先に、アメリカイギリスの2カ国に宣戦を布告した理由もまた、帝国の自存と東亜の安定を願ってのものであって、他国の主権を侵害したり、領土を侵犯したりするようなことは、もちろん私の目指したところではない。)

 

 

然ルニ交戦已ニ四歳ヲ閲シ朕カ陸海将兵ノ勇戦朕カ百僚有司ノ励精朕カ一億衆庶ノ奉公各々最善ヲ尽セルニ拘ラス戦局必スシモ好転セス(修正前:戦局日ニ非)

 

(しかしながら、戦闘状態はすでに4年を経て、わが陸海将兵の勇敢な戦闘、官僚や公務員たちの励精、一億民衆の奉公は、それぞれ最善を尽くしたにもかかわらず、戦局は必ずしも好転したとはいえない。(修正前:戦局は日に日に劣勢になり)

 

 

 

(中略)

 

 

朕ハ帝国ト共ニ終始東亜ノ解放ニ協力セル諸盟邦ニ対シ遺憾ノ意ヲ表セサルヲ得ス

 

(私は、帝国と共に収支、東亜の会報に協力してくれた友好国に対し、遺憾の意を表さざるを得ない。)

 

 

帝国臣民ニシテ戦陣ニ死シ職域ニ殉シ非命ニ斃レタル者及其ノ遺族ニ想ヲ致セハ五内為ニ裂ク

 

(帝国臣民で、戦場で亡くなり、職場で殉職し、悲惨な最後を遂げた者や、その遺族を思うと、内臓が張り裂けそうである)

 

 

且戦傷ヲ負イ災禍ヲ蒙リ家業ヲ失ヒタル者ノ厚生ニ至リテハ朕ノ深ク軫念スル所ナリ

 

(加えて、戦場で傷を負い、戦災に遭い、家や仕事を失った者の厚生については、私の深く心配するところである。)

 

 

惟フニ今後帝国ノ受クヘキ苦難ハ固ヨリ尋常ニアラス

(今後、帝国の受けるべき苦難は、尋常ではないものと思う。)

 

 

爾臣民ノ衷情モ朕善ク之ヲ知ル

(あなたたち臣民の悲しみも私はよく知っている。)

 

 

然レトモ朕ハ時運ノ趨ク所堪へ難キヲ堪へ忍ヒ難キヲ忍ヒ以テ万世ノ為ニ太平ヲ開カムト欲ス

 

(しかし私は、時運の赴くままに、耐えがたきを耐え、忍び難きをしのんで、後世のために平和の世を切り開こうと思っている。)

 

 

 

 

 

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