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3歳児検診は親の負担が大きい

先日、子どもが3歳児検診を受診しました。

 

 

3歳児検診とは、母子保健法に基づき行われる健康診査です。

 

母子保健法では、1歳半から2歳までに1回、3歳から4歳までに1回、合計2回の健康診査の実施を、市町村に義務付けています。多くの市町村では、2回目の検診を、3歳から3歳半ごろに行っているため、「3歳児検診」「3歳半検診」と呼ばれることが多いです。

 

3歳児検診では、視覚、聴覚、運動、発達等の心身障害、その他疾患及び異常を早期に発見し、適切な指導を行い、心身障害の進行を未然に防止するとともに、う蝕(虫歯)の予防、発育、栄養、生活習慣、その他育児に関する指導を行い、もって幼児の健康の増進を図ることを目的としています。(厚生労働省資料より抜粋)

 

 

今回、子どもの3歳児検診を経験し、正直、「親の負担が大きい!!」と思いました。検診と親の負担について考えてみました。

 

 

 

 

問診表の作成だけでは終わらない事前準備

 

 

3歳児検診の目的は、「視覚、聴覚、運動、発達等の心身障害、その他疾患及び異常を早期に発見」することです。

 

ただ、私の住む自治体では、「視覚」と「聴覚」の検査は、自宅で一次検査を行うことになっていました。

 

 

検診案内に検査キットが入っていて、自宅で一次検査をしてきてくださいと書かれています。

 

 

事前準備は、問診票の記載だけではないようです。

 

 

「聴覚」の検査は、動物が数匹書かれた紙が検診案内に一緒に入っていて、『子どもと1メートルほど離れ、親の口を隠して、ささやき声で「動物名」を言い、子どもに当ててもらう』というものです。

 

これは、今はマスクもありますし、机を挟んで座れば1メートルもクリアしますので、子どもと2人、クイズ感覚で実施ができました。

 

 

 

問題は、「視覚」検査です。

 

 

 

視覚検査の難易度の高さに驚愕

 

 

検診案内に、大と小の「ランドルト環」(目の検査の時に私たちが見せられる、円の一部が欠けたC型の形のもの)が印刷された紙が入っています。大きなものは大きめの紙皿サイズです。

 

(こういうものの、もっと簡易なセットが入っていました。)

 

 

この大きなランドルト環を切り抜いて子どもに持たせ、親は小さなランドルト環をもって、指定されたメートル(わが家は3メートル)離れて、親の提示したランドルト環と同じ形に子どもが合わせることができるかを確認する方法で検査を行います。

 

 

右目、左目、両目の検査が必要なので、ガーゼやティッシュをバンドエイドで片目に張り付けて、右目と左目、順番に検査をする必要があります。

 

 

まだ右や左が分からない3歳児、ランドルト環の形をまねっこさせることで検査をする方法はかなり合理的なのですが、そうはいってもこの検査、やってみると、とても難しいです。

 

 

 

「お目目が見えているか調べるよー、まねっこしてね!」と説明しても、3歳児男児です。遊びの延長でしか取り組めません。

 

 

まず、親の持つランドルト環と自分のランドルト環を同じ形に合わせるということを理解させるのにひと苦労します。そのうち他の遊びに目が行ってしまい、集中力が切れ、ランドルト環を折り曲げたりちぎったりしそうだったので、回収。

 

 

1回目の挑戦はあえなく撃沈しました。

 

 

 

 

 

2回目は、あらかじめ3メートル離れたところに椅子を2脚置いてからのスタートです。(3メートルをきっちり測ることも指定されています。長尺メジャーがないわが家では3メートル測ることも、そもそも3メートルの何もない空間を作ることも一苦労でした。)

 

 

再度、子どもに「同じ形に合わせる」ということを説明しますが、分かっているのだか分かっていないのだか、出来たりできなかったり手ごたえはありません。

 

 

2脚の椅子の片方に座らせ、もう1脚に私が座った時点で、私の方に走ってきてしまい、また集中力が途切れました。2回目も断念。

 

このあたりで、正直なところ、「これ、本当に3歳半の子どもたちみんな出来るの?何度も失敗しているうちの子は、ちょっと発達がまずいの?」と心配になりました。

 

 

 

 

ネットで調べてみると、やはりてこずっている方はいらっしゃるようで、諦めたという方や、動物を上下左右に貼って「どの動物が食べちゃった?」という形にするという検査方法も見つけました。

 

 

 

 

 

さて、気を取り直して3回目です。

ちなみに、1回目、2回目、3回目と数日空けて挑戦しています。

 

 

3回目は夫に協力してもらい、まず夫がお手本を見せます。本人がやり方を理解したであろうところで、椅子に座らせ、夫が子どもの側に立ち、私が小さいランドルト環を動かしながらもう1脚まで少しずつ移動します。

 

 

両目では何とか見えているようです。そこで、片目を塞ぐためにガーゼとテープを貼ろうとしたら強く拒否されました。確かに、今まで片目を意図的に塞ぐなんてことはしたことがありません。子どもからすると、「何?何をするの?」といったところでしょう。

 

 

ガーゼで塞ぐことはあきらめ、夫に手で片目を隠してもらいましたが、嫌がった時点でまた集中力が途切れ、ふざけ始めて、夫の手をどかそうとしたり、適当にランドルト環を振り回し始めたため、検査継続は断念。3回目も失敗です。

 

 

 

親二人がかりで取り組んでもうまくいかない視覚検査。

 

 

 

仕方がないので、親族の保育士にアドバイスを仰ぎます。保育園では視覚検査をどうやっているのか?と聞きました。

 

 

すると、保育園でも、大きなランドルト環を持たせてまねっこさせる方法で行っていることが判明しました。

ただし、初めて検査を行う3歳児は、まず4歳や5歳のお兄ちゃんお姉ちゃんの検査を見学させ、やり方を具体的に見せた上、みんなで練習します。

そして「自分もやりたい!」と思うような誘導を行ってから、取り組み始めるとのことでした。目を隠すのは眼帯で行うとのことでした。

 

 

 

そこで4回目、お手本を見せるべく、まず夫が大きいランドルト環を持って検査をして、私が盛大にほめます。

続いて、私も検査をして、夫が私を盛大にほめます。

このあたりで「僕もー」と言い出したので、前回の反省から、小さいほうのランドルト環は私でなく夫が持つことにして、私が子どもを抱いて椅子に座り、夫は3メートル離れた椅子に座ります。

 

私が片手で子どもの目を隠し、夫が検査用ランドルト環を見せ、子どもにマネをさせます。盛大にほめつつ検査をすすめ、反対の目も検査OK。途中すこし飽きて嫌がっていましたが、両目の検査もギリギリで行い、何とか検査を終えました。

 

 

 

 

疲れました。

 

 

 

 

この検査、夫婦で協力したから出来たようなもので、私一人だけで検査を行うとなるとかなり難しかったと思います。夫が不在で私だけが対応していたら、わが子は「検査失敗」になっていたように思います。

 

 

 

ランドルト環を使う視覚検査のハードルの高さ

 

 

ランドルト環を使った目の検査は、

 

①親と数メートル離れて一人で座ることができる

②持たされたランドルト環(普通の印刷用紙に印刷されたぺらぺらの紙です。)を、折ったり破いたりすることなく持っていられる

③自分の持っているランドルト環を、検査者(親)の持っている小さなランドルト環の形に合わせるという検査方法が理解できる

④片目を隠されるという不快な状態を我慢できる

⑤右目、左目、両目(わが自治体では、Cの空き部分、上下左右を全てチェックするよう指示あり)という、単調な検査の繰り返しに粘り強く対応できる

 

という、複数の越えなければならないハードルがあります。

 

 

これを家庭内だけで、特に第1子で兄弟など子どものお手本がない状態で乗り越えるのは、正直大変でした。

 

 

 

 

 

3歳児検診最後の関門

 

 

そして3歳児検診の最後の関門は、検尿です。

 

当日のおしっこ(できれば朝イチのもの)を、持って行かなくてはいけません。

 

 

わが子はトイレトレーニング自体は完了しており、昼間はずっとパンツですが、夜はオムツです(毎日おねしょあり)。

そして朝のおしっこは、オムツにするルーティーンになっており、毎朝オムツにおしっこをしてから着替え始めます。

 

 

わが家は共働きで、子どもは8時前に保育園に登園します。いつもは、朝のオムツでのおしっこから登園まで、トイレでおしっこをすることはありません。

 

 

 

3歳半検診は平日の午後からで、私たち両親は午前中仕事です。朝のおしっこを、何とかコップに出してもらえなければ、検尿も失敗します。

 

しかもチャンスは、毎朝オムツにしている朝のおしっこ1回きりです。

 

 

検診の3日ほど前から、子どもに「検診に行くよ、おしっこを持って行くよ」と説明し、朝のおしっこをコップにだしてもらうよう説得します。

 

検診3日前に、夕方のおしっこで、1度コップに出す練習をしました。わが子は男の子でおしっこを受け取りやすいこともあり、これは全く問題もなくうまくいきました。子どももノリノリでした。

 

 

検診の前日、練習のため朝のおしっこをコップに出すようトイレに誘いますが、やはり朝のおしっこはオムツにしたい派の息子、朝の眠さも相まって、ぐずついて拒否、最後には泣き出します。

親としては「最悪前日のおしっこを持って行けばいいか」という保険をかけたつもりですが、あえなく失敗です。

 

 

 

子どもには、「明日の朝は、絶対にコップにおしっこをしてね」と何度も説得し、当日朝を迎えます。

 

 

検査当日の朝です。

 

起きてから眠くてグズグズ、「トイレいや~!オムツでする~!」と拒否していますが、なだめつつはげましつつ、ときにしかりつつ、最後は夫とともに盛大にほめておだてて、何とかトイレに誘導。少しオムツにしてしまった後だとは思いますが、ケースをギリギリ満たすくらいのおしっこを確保し、検尿ミッションも何とかクリアしました。

 

(これで出来なければ、仕事を早く切り上げて、保育園お迎えから検査会場に向かう途中でおしっこをさせようと思っていました。)

 

 

ひやひやした検査当日の朝でした。

 

 

 

3歳児検診を受けて考えたこと

 

 

検査会場では、コロナ拡大の影響で待ち時間も少なく、歯科検診も内科検診も保健師チェックもクリアし、難なく検査を終えました。

 

 

わが子の場合は、事前の検査準備のほうが、検査会場での検査の何倍も、エネルギーが必要でした。

 

 

そして思いました。

 

 

3歳半検診、親の負担が大きすぎじゃないか?と。

 

 

 

検診会場で行う検査は、子どもの発達状態を確認する項目が多く、特にいわゆる「発達障害」と「育てにくさ」を重点的にチェックしているようでした。

 

 

保護者に対しては、「育てにくさ」「子育てのしんどい部分」を、検診で聞き出して、フォローにつなげることは、とても意味があることです。

 

 

 

しかし私は、検査会場における「発達障害に対する深すぎるまでの思慮深いチェック」と、検診の事前準備の大変さが、どうにもマッチしていなのではないかと感じました。

 

 

 

わが家が苦労して取り組んだ事前検査。

 

あの検査のやり方を理解できて問題なく実行できるお子さんは、発達にも問題ないのではないか。そこを無視して、なぜ検査会場でしつこいくらい「育てにくさを感じますか」「お子さんは会話ができますか?」と聞かれるのか、バランスが取れていない気がしたのです。

 

 

会話ができないお子さんは、聴覚検査で「動物の名前」を答えることは難しいと思います。目線が合わず、落ち着かないお子さんに、視覚検査のランドルト環を理解させて実施するのはかなり困難なように思います。

 

 

私の自治体での事前検査を自宅でクリアできる子のほとんどは、おそらく発達への懸念がないはずです。にもかかわらず、検査会場で「落ち着きがない」「育てにくい」「目線が合わない」「会話のやりとりができない」ということがないか、問診票でチェック欄があるにもかかわらず、口頭でも何度も確認されます。

 

 

 

親の感じる「育てにくさ」は、発達障害の1つのチェックポイントであると同時に、虐待の芽になることもあるので、保健所のフォローは大切です。

 

 

でも、ふと我に返った時、「落ち着き」や「会話のやりとり」への困難は、あの事前検査が出来るなら問題ないだろうと思わずにいられないのです。

 

 

 

子どもを大切に思い大切に育てている親であればあるほど、健全に育って欲しい、育てたいと思っており、それは「検診で何も指摘されませんように」と願うことに結びつきます。

 

 

そのような親にとって、3歳児検診の事前検査のハードルが高くなると、「これができないわが子は、ダメなの?」という不安に陥りやすいです。

 

 

確かに、検査会場で3歳児が視力検査をすることは、時間もかかるし大変です。現実的でないことは分かりします。

 

 

ただ、せめて検診案内での事前検査の依頼には、事前検査を必須にするのではなく、「この検査が家で出来れば、目の検査を省略できて早く終われます」くらいの、ゆるい対応にしてもらえれば、親が事前検査に感じるプレッシャーも軽くなるのにと、ちょっと愚痴を言いたくなりました。

 

 

 

 

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