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フルタイム共働きのワーキングマザーです。陸マイラーもやっています。

「ワンオペ育児」「ワンオペワーキングマザー」という言葉の奥に感じること

ワンオペ=ワンオペレーションという言葉が市民権を得たのは、2014年大手牛丼店で、深夜時間帯にアルバイトが店舗を一人で運営する勤務体系が敷かれていたことが発覚し、人手不足をアルバイトの義務感のみに任せて行っていた会社運営への批判から、その大手牛丼店では、深夜労働の中止や店舗の閉鎖が行われ、社会問題になった出来事からです。

 

その後、母親一人で育児を行う「ワンオペ育児」と言葉が生まれ、既にグーグルなどの検索サイトでは、ワンオペと入力すると、ワンオペ育児と表示されるまでになりました。

 

ワンオペ育児、大変ですよね。わかります。

 

ただ、私は最近、なぜか「ワンオペ育児が大変」という言葉に違和感を感じ始めました。

 

本日はこの「ワンオペ育児」「ワンオペワーママ」という言葉に感じ始めた違和感について、考えたいと思います。

 

 

 

もともと育児ってワンオペかも?

  

よく考えると、核家族世帯が増えて以降、育児の大半は基本的にワンオペです。核家族=親(最大2人)と子どもで構成される家族では、誰かが働かなければ食べていくことはできません。

 

政府が定義した標準世帯、いわゆる両親と子ども2人で、父親は働き母親は専業主婦の世帯では、専業主婦はワンオペ育児が基本でそれが問題になったことありませんでした。

 

今でも、専業主婦世帯や育休中の人は、昼間は基本的にワンオペ育児です。夫が昼間に働いている間「私、ワンオペ育児になって大変」という専業主婦はおそらくいません。

誰かが働かなければ生活ができないわけですから、それを不満に思ってもどうしようもないと分かっています。

 

専業主婦でワンオペが不満なら親と同居するしかないですが、では(義)実家との同居とワンオペ、どちらがいいですか?という話になると、きっと現在は、実家での同居ならともかく、義実家との同居については、拒否して核家族を選ぶ家庭のほうが多いのではないかと思います。

 

 

夫が単身赴任でワンオペになる場合や、死別や離婚などでシングルになる場合も、一人で家事育児をするわけですから、ワンオペ育児です。

 

ただ、単身赴任やシングルで仕事と子育てをしている方から「ワンオペ育児で大変」という話はあまり聞きません。この二者は最大級のワンオペ家事育児のはずですが、当事者から「ワンオペ」だという不満が出ないのは、当事者自身が自らワンオペを選んだという意識があるからのように思います。

(自分で選んだでしょという世間のプレッシャーが、夫が単身赴任の方やシングル家庭の方に「ワンオペ育児大変」と言わせない状況を作っていることもあり得ます。)

 

 

 

なぜワンオペ育児という言葉がこれほど広がるのか

 

ではなぜワンオペ育児という言葉がこれほど広がるのか。

 

それは、ワンオペ育児をしたくない人、ワンオペ育児になると思っていなかった人が、ワンオペ育児を押し付けられているから「ワンオペ育児大変」となるのです。

 

先のワンオペ牛丼店だって、ワンオペラッキー!一人は気楽で大好き!という従業員ばかりなら、あれほど社会問題化しなかったと思います。牛丼屋のワンオペがあれほど社会問題化したのは、ワンオペを大変負担だと感じているアルバイトの人、弱者の立場のひとが、否応なく企業から深夜労働という過重労働を求められて、逃げられない状況だったから問題化したのです。

昔ながらのお菓子屋さんなど、今でもおばあちゃん一人でお店を切り盛りしているお店は、特に地方ではたくさんあります。でもワンオペのお菓子屋のおばあちゃんから「ワンオペ大変」という話は聞きません。

 

共働きなのに夫は長時間労働で、自分だけ必死で仕事をこなして早く帰って子どもの世話をしなければならない、専業主婦家庭だが夫は残業が多く夜帰ってこず、休みの日も育児に参加せずゴロゴロしているなど、自らが望んだ状況でないにもかかわらずワンオペ育児を強いられているから「ワンオペ育児大変」ということになるのだと思います。

 

 

となると、夫に早く帰ってきてもらえば、ワンオペ大変は解決するのでは?夫に「休日は育児を一緒にやってね」と話し合うことができれば、ワンオペではなくなるのでは?と最近思い始めました。

 

 

 

「ワンオペ育児」「ワンオペワーママ」という言葉に違和感を持つ理由

 

私が最近、ワンオペ育児大変という言葉に違和感を持つのは、それが「頑張っている私」アピールになってきたように感じるからだと思います。

 

「ワンオペワーキングマザー」という言葉も同じです。「ワンオペワーママ」というアイコンが、私は仕事も家事も育児も一人で頑張っています!頑張ってるよね!すごいでしょ!というアイコンとなっている感じ始めています。

 

これは会社で残業が多いことを「仕事が忙しい忙しい」と嘆きつつちょっと喜んでいる人に感じる、少し冷めたような残念な気持ちと似ています。

 

勤務時間中に必死に仕事していないにもかかわらず、残業して「仕事を頑張っているアピールをする人」に対して、私はけっこう冷ややかです。

これと同じ種類の気持ちを「ワンオペ」を前面に出す人に感じてしまうのです。

 

その「ワンオペ」、本当にどうにも手の打ちようがないものなのかな?と。

 

ワンオペ育児、ワンオペワーママになる一番大きな原因は、夫です。 

ワンオペが大変なら、ワンオペワーママが嫌なら、夫ときちんと話し合うべきです。

にもかかわらず、残業が多い夫に対して、残業が多い状況を改善させることも、早く帰れるように頑張って欲しいと話し合うことも、帰宅後や休日に育児をしないことをとがめることもせずに、ワンオペ育児大変、私はワンオペワーママだから大変と嘆くのは、自分をしんどい状況に追い込んで、ワンオペ育児の状態を受け入れて私は頑張っていると満足しているように感じてしまいます。

  

昨今の働き方改革や、新型コロナウイルス感染症により、残業の規制や禁止や在宅勤務の推奨など、社会は変化しています。

にもかかわらず、夫に「早く帰って育児を一緒にやって」となぜ言えないのか。「育児は夫婦でするもの」とはぜ話し合えないのか。ワンオペ育児大変と外に主張する前に、なぜ目の前にいる夫に「早く帰ってきて」と主張することができないのか。

  

かくいうわが家も、今年はワンオペ育児率が高いです。夫の帰りは遅く、平日の夜は5日とも子どもも私も寝てしまってから夫が帰宅する毎日です。

 

ただ、私はこの状況に納得していません。

ワンオペ育児になっているのが嫌だと、夫にも会社にも言い続けています。夫も私が不満に思っていることを受け止めて、何とか早く帰って育児参加ができるよう策を練っているようです。(まだうまくいっていないのが残念なところです。)

 

長時間労働については、いち社員がちょっと言うくらいで解決するわけではありませんが、「自分は嫌だ」と表明することはとても大切です。

夫は独身時代はワーカーホリック気味だった人ですが、私が一人で育児するのは嫌だと言い続けたことと、従来彼が持つ子ども好きのおかげで、残業嫌いに意識が変わってきました。

  

だから、「ワンオペ育児大変大変」「ワンオペワーママ」と言いつつ夫には何も主張しない人、ワンオペというアイコンをつかってSNSで主張をする人に、少し違和感を持ってしまうのです。

 

私も、夫と同じように働いてお金を稼いでいます。にもかかわらず平日の家事育児を一人でする状況になり、私に家の負担が偏っていることを、私は納得できないし、受け入れることもできません。

 

このワーキングマザーの「納得いかない」が大多数になれば、きっと男性の長時間労働も少しずつ減ってくると思います。

 

家庭で(特に共働きの)妻から口うるさく「早く帰ってきて。ワンオペ育児は嫌だ。あなたと育児がしたいんだ。」と言われ続け、早く帰る努力をした男性が、中堅社員や管理職になったらどうなるでしょうか。

きっと自分は早く帰るでしょうし、部下も早く帰ることができるような空気を作っていけるようになるでしょう。

 

少なくとも、特に仕事もないのにとりあえず毎日30分は就業後も会社に居残るなんていう無駄なことはしなくなると思います。

  

自分の夫は本当にわき目もふらずに働いていているのか。残業できるからといって雑談や休憩などしていないのか。特に仕事もないのに同僚や上司や部下が残っているから一緒に残業しているなんてことは1度もないのか。

 

ワンオペ育児大変とSNSでつぶやく前に、夫と話し合いをするべきです。 

男性も女性もワークライフバランスを整えて、仕事も家庭も充実して過ごせるような世の中が理想です。

 

 

アメリカでは女性で黒人の副大統領が誕生しました 

 

先に行われた大統領選挙の結果、アメリカでは移民の子で黒人で女性の副大統領が誕生しました。

私はアメリカで生活したことはないですが、ニュースや海外ドラマを見るにつけ、アメリカにおける黒人の方の地位の低さや大変さは感じています。

 

彼女が副大統領になったことで、アメリカの黒人の地位や女性の地位がどう変わっていくのかは私には分かりませんが、少なくとも未来につながる大きな一歩だったことは間違いないでしょう。

 

一方、私たちの住む日本では、アメリカの大統領選挙のような直接選挙制度を取っておらず、党内のみの選挙で選ばれた総理大臣がいつでも好きな副総理を選ぶことができますが、一度も女性が副総理になったことはありません。

副総理だけではなく財務大臣経済産業大臣も、いままで女性が選ばれたことはありません。

これをどう感じますか?

 

私は、何が何でも女性の副総理をとか、女性の政治家を増やそうとか言いたいわけではありません。

ただ、いつまでも私たちが「ワンオペ大変」とSNSで嘆いているだけでは、「ワンオペワーママ」というアイコンを自分は頑張っている自分はできるという主張として使っている限りは、日本の男性の働き方も女性の働き方も何も変わらず、女性は育児と家事でずっと大変で、副大臣になりたい、総理大臣になりたいと強く思う女性が現れても、彼女が思いをかなえることは私たちの生きている間には難しいと思うのです。

 

でも、その総理大臣になりたいと言っている女性が自分の娘だった場合、あなたの望みはかなわないと娘に言えますか?息子には言わなくてもいいその一言を、娘だけに言えますか?

 

そういう未来を変えるために、まず夫婦で「ワンオペ」でいいのかきちんと話し合うべきです。

私は夫と話し合いを続けますし、「ワンオペ育児」にならないよう彼にも努力を求めますし、「ワンオペ育児」や「ワンオペワーママ」というアイコンがなくなるような世の中にしていきたいと思っています。 

 

ゆくゆくは、男性も女性もみんな働いてみんな育児をして、イクメンもワーキングマザーという言葉もない社会になればいいと思っています。

 

そういった小さな小さな家庭の積み重ねこそが、アメリカ初の女性黒人副大統領の誕生のように、社会を大きく動かす一歩になると信じています。

 

 

 

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