わが家は、朝ごはんと週末の食事は家族そろって食べています。
お昼は各自保育園や職場でバラバラになり、夕食は夫の残業に左右されるので、必ず朝は一緒に取るようにしています。
子どもからの切ない注意
いつものように家族そろって朝食を食べ始め、私と夫が、主に今週末の過ごし方と仕事の相談について話をしていたところ、子どもが言いました。
「しー、しゃべらない!ごはんのときはしゃべらないの!」
わが家は、子どもに対して「しゃべらずに黙って食べなさい」というしつけをしたことはありません。
もともとよく食べる子で、話し続けるてご飯の手が止まるということもなかったことと、夫も私も「食事は、話をしながら笑って楽しく食べたい」という価値観であるため、家での食事は「お話しながら」が多かったです。
したがって、「食べるときはしゃべらない」という注意は、保育園の給食の際に、子どもが受けている注意なのだと判断しました。
給食を黙って食べるという注意
去年までは、保育園でも「食べるときは黙って」という指導は受けていなかったと思います。家で言ったことがありませんでした。子どもが「黙って」と言い始めたのは、今年度に入ってからです。
子どもは今年、幼稚園でいうところの年少組さん(保育園では3歳児)になりました。そして子どもの通う保育園は最近こども園に変りました。今年度は、幼稚園形態(いわゆる1号さん)として今年から入園してくるお友達ができました。
そして幼稚園形態のお友達の中には、感染拡大を理由に長期休園を選択している子もいます。
去年までは未満児クラスで、保育園形態(3号認定)のお友達しかおらず、 園自体が休園になった場合ならともかく、コロナの感染を心配して自主的に休園するという選択は、仕事をしている保護者の場合なかなか難しいので、長期欠席のお友達はクラスにはいませんでした。園生活でも、休園が明けた後は大きく変わったことはありませんでした。
(参観や運動会は縮小されていましたが、日々の保育園生活としては、手洗いが増えたことと、プールがシャワーになったことくらいです。)
しかし今年は、感染症への意識に関して保護者の中でも差があるのだろうなと漠然と感じています。
コロナ感染にすごく気を使って生活をされている保護者にとっては、たとえ3歳であってもペラペラしゃべりながら給食を食べていれば、不安が生じるでしょう。
このあたりの保護者間の価値観の差と、園の感染対策への考え方と、そもそも子どもたちが指導に従うことができる年齢になったことが相まって、今年は「給食は黙って静かに食べる」という指導につながっているのかなと感じています。
やるせないせつなさを感じる
この指導に対し、保育園に全く不満はありません。
いたしかたないと思いますし、クラスで感染拡大して長期休園になるほうがよほど多方面に大きな影響が生じます。
黙って食べるという指導くらいは、園に預かってもらっている以上、甘受すべきものです。
しかし3歳の子どもが、親子で楽しい話をしながら食事をしている中で「しー、静かに!」と怒ってしまうのは、やはりやるせない切なさを感じてしまうのです。
保育園形態で園に通う子にとっては、園は今までと変わらず生活の場です。わが子の通う園では、先生方もそれをとてもよくわかっておられます。
本当は給食はみんなでわいわい楽しく食べられるほうが良いのに、おそらくコロナ感染拡大がなければ必要がなかった「静かに黙って食べなさい」という指導を3歳の子どもたちにまで行わなければならない先生の苦悩、そしてそれを理由もわからずに律儀に守り、家でも「静かにしないと」と思ってしまう3歳児の純粋さに、愛おしくも切ない気持ちになってしまいます。
家での指導に悩む
自宅の食事では、感染症対策のために「黙って食べる」必要はありません。
仮に食事を黙って食べたとしても、同じ部屋で長時間過ごし、話をし、お風呂に入り、同じ部屋で眠るのですから、家族間での感染は避けられないでしょう。
しかし子どもは、なぜ「食事を黙って食べる」のかという理由までは理解していません。
「園では黙って食べようね、おうちではお話しても大丈夫だよ」と話すことが果たして良いことなのか、「コロナバイキンがいなくなるまでは黙って食べようか」の方がいいのか、すごく悩みます。
特に3歳という、言葉をようやく理解し始めて視野がどんどん広がっている、しかし理由までは理解できていない子どもに対する対応としては、正解が何なのか分かりません。
今は「そっかー、先生はしずかにって言ってるんだね、わかった。じゃあ、お話はやめるね」としていますが、これも探り探りの対応です。子どもは納得しますが、これでいいのか悶々としています。
そして、これが「コロナ禍」なんだなと思います。
早くこの状況が終息し、子どもがお話をしながら楽しくご飯を食べることを「良し」と思える日が来ることを祈っています。
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