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女性がめざすべき年収は?

「年収600万円を稼ぐ女性は上位10%であり、男性でいうと1,000万円稼ぐのと同じ」

 

これは、社会人になりたての頃に、職場の先輩が貸してくれた勝間和代さんの本のことばで、すごく印象に残っています。(印象深いのに、本の名は忘れました。)

 

その本の中で、社会にはいまだに男性と女性で格差があること、それを自分も体感する時期が近い将来にくることを、社会人ほやほやの私は学びました。

(学生時代(就活時代を含めて)は、幸いなことに、男女で社会的評価にそこまで差があることを実感する機会が少なかったです。)

 

その本を読んで「私は600万円をめざしてがんばろう」と思ったのを覚えています。

 

 

ただ、あの当時はまだ、いわゆる「育休世代」がやっと社会人になったくらいの時期でしたから、「産休育休を取って働く女性」は今ほど多くはなく、今ほど共働きが広がっている時代ではありませんでした。

 

育休世代がアラフォーになり、正社員をなんとか継続し、女性のM字カーブもなだらかになってきた現在、私が目標にしていた女性の上位10%の年収はどうなったかな?と思い、調べてみました。

 

 

給与取得者の平均給与 

 

民間給与実態調査によると、1年を通して勤務した給与取得者の平均給与は436 万円、男女別だと男性540 万円、女性296 万円になっています。

 

給料分布は以下のとおりです。

         年 分 性・給与階級

平成21

平成26

令和元

 

上位10%が含まれるゾーン

及び

平成21年と令和元年の増減

 

 

100万円以下

3.1

3.3

3.8

 

200  〃  

7.9

7.5

7.2

 

300  〃  

14.1

13.2

10.9

 ←3.2%減

400  〃  

20.0

18.3

16.5

 ←3.5%減

500  〃  

17.3

17.4

17.5

 

600  〃  

12.2

12.8

13.5

 ←1.3%増

700  〃  

7.9

8.4

9.0

←1.1%増

800  〃  

5.5

5.9

6.4

←1.1%増

900  〃  

3.8

4.0

4.5

H21、H26(ここで上位10%)

1,000  〃  

2.4

2.7

3.0

R1(ここで上位10%)

1,500  〃  

4.4

4.9

5.5

 

2,000  〃  

0.9

1.0

1.3

 

2,500  〃  

0.3

0.3

0.4

 

2,500万円超  

0.4

0.4

0.4

 

100.0

100.0

100.0

 

100万円以下

17.7

16.7

15.4

 

200  〃  

27.2

26.2

23.7

←3.5%減

300  〃  

22.8

22.1

20.4

←2.4%減

400  〃  

15.2

15.9

17.5

←2.3%増

500  〃  

8.2

9.0

10.5

H21、H26(ここで上位10%)

←2.3%増

600  〃  

4.2

4.7

5.5

R1(ここで上位10%)

←1.3%増

700  〃  

1.8

2.3

3.0

←1.2%増

800  〃  

1.1

1.2

1.6

 

900  〃  

0.6

0.6

0.8

 

1,000  〃  

0.4

0.4

0.5

 

1,500  〃  

0.6

0.6

0.9

 

2,000  〃  

0.1

0.1

0.2

 

2,500  〃  

0.0

0.0

0.1

 

2,500万円超  

0.0

0.0

0.1

 

100.0

100.0

100.0

 

 

これを見ると、女性の上位の給料は10%のゾーンは、平成21年より令和元年のほうが上がっています。平成21年や平成26年は、女性の給与取得者の上位10%は年収500万円未満のゾーンに含まれていたのに対し、令和元年は年収600万円未満のゾーンになっています。(ただし平成21年はリーマンショック真っただ中の時期ですのでリーマンショックによる年収の減が影響していることも考えられます。)

 

 

女性の給料が上がってきた

 

興味深いことに、女性の400万円未満と500万円未満のゾーンにいる給与所得者の割合が、平成21年から令和元年までの10年間で4.6%増とかなり増えています。

 

年収400万円~500万円未満の女性は、女性の所得の上位20%に入ります。男性の上位20%が含まれるのは年収700万円~800万円未満のゾーンです。男性の700万円未満と800万円未満のゾーンでは10年間で2.2%しか増えていません。ここまで差が出れば、リーマンショックだけが原因というわけではなさそうです。

 

すなわち、ここ10年で300万円から500万円くらいの範囲を稼ぐ女性が増えてきたということです。年収300万円以上となると非正規雇用では難しいですから、正規雇用の方が増えてきたということになります。

 

育休世代が正社員で働き続けていればちょうど年齢的にこのあたりの所得層に入ってきます。

これまでは、出産を契機に離職していた方が、産休育休を取得してキャリアを継続することができた結果、雇用期間が長くなりそれなりの給料をもらう人が増えてきたのではないでしょうか。

 

女性がめざすべき年収は?

 

このまま女性が出産時にキャリアを中断せずに働き続ける状態が長くなれば、年功序列の給料形態である日本の企業では、正社員女性の平均年収は上がっていきます。今の育休世代が、何とか共働きを継続して40代、50代になれば、そしてその中から管理職になる女性が増えてくれば、今は数パーセントしかいない600万円、700万円の給与所得者も増えてくるでしょう。

 

そうなると、勝間和代さんが提唱されていた女性が目指すべき年収600万円は、そのうち700万円に上がっているかもしれません。

 

女性の平均年収が上がるのは、それだけ女性が仕事を頑張っているということです。育児も家事もやりながら働くことは本当に大変です。大変なことを頑張っている女性が増えて、女性の年収が上がってきています。

 

たくさんの女性が頑張ったから、勝間和代さんの目標値も上がる。

 

みんなで頑張れば頑張るほど、平均収入が上がって目標値が上がり、手が届きそうだった目標がまた遠のいてしまう。

いつまでも目の前のニンジンに届かない馬のような気分にもなりますが、それでも目標は大事です。

 

もちろん仕事のやりがいはお金だけでは測れませんが、それでも私は、お金の面ではあの日にめざした上位10%の目標を変えないようにしようと思います。

 

あなたはどこを目指しますか?

 

 

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