2020年4月入園の保育園の申し込みに落ちた際、すぐにやることについて、(1)及び(2)の記事に記載しました。この中で、保育園入園の一次申請で、不承諾となった場合、希望していた保育園の、入園最低点を知るための情報公開請求について、もう少し、深く、紹介したいと思います。
www.workingmother-rikumiler.com
www.workingmother-rikumiler.com
情報公開請求という言葉、初めて見た方も、いらっしゃるかと思います。
今回は、保育園入園の一次申込で、不承諾(または保留)となった方に向け、情報公開請求をする方法について、分かる範囲で記載します。
なお、私は、法律の専門家ではありません。普通のサラリーマン(?)ワーキングマザーが、保育園に落ちて、必死で保活をした中で、知ったことですので、あしからずご了承いただき、実際に行う場合は、役所の担当窓口に、不明な点をお問い合わせください。
情報公開制度とは
行政機関は、その行政機関が保有する情報は、国民(市民)のものであるとの理念のもと、どんな方でも、その行政機関が保有する行政文書の公開を、請求できる制度を設けています。これを情報公開制度といいます。
情報公開の流れについては、東京都のホームページが、見やすかったので、添付します。
(東京都ホームページ(公文書の開示請求))
http://www.johokokai.metro.tokyo.jp/kaijiseikyu/kobunsyo/johokokai.html#seikyukarakaijimadenonagare
行政文書とは、役所が持っている文書のことです。(「文書」と言っても、いろいろと条件はあるようですが、今回は、詳細は割愛します。)。
役所の文書を、「見せて!」と言える制度を、情報公開制度といいます。
情報公開制度では、まず国民や市民が、自治体に、公開請求をするところから始まります。請求は、その情報(文書)を持っている行政機関です。区や市町村の、認可保育園の、保育園入園の最低点数を知りたければ、その区・市町村に対して、情報公開請求をする必要があります。隣の市や、都道府県に情報公開請求をしてもダメです。もちろん、保育園に提出してもダメです。
情報公開請求の方法
情報公開請求は、あらかじめ区や市町村が定めた、情報公開請求書(行政文書公開請求書ともいう)に、必要なことを記入して、情報公開の担当部署に提出します。
担当部署とは、保育園関係の相談で、みなさんがよく行く、子育て支援課や、保育課などとは、別に、設置されていますので、自治体のホームページや、自治体の案内窓口で、どこが情報公開請求の担当部署なのか確認します。保育課などに提出しても、有効な請求にはなりません。(親切な保育課なら、担当課に転送してもらえるかもしれませんが、最悪、放置される可能性もあります。)
請求書は、郵送で受け付けてもらえる市区町村もありますが、記載誤りがあった場合に、手続きが遅れていきますので、時間も限られる保活中であれば、可能なら、直接持参する方が、受付が早くなります。また、持参なら、誤りがあっても、教えてくれるので、持参が良いと思います。
情報公開請求から、情報が公開されるまでの期間
保育園入園の一次選考について、希望園の最低点数を情報公開するよう希望する場合は、情報公開請求書を提出した後、最長14日で、情報公開をするか、できないか、判断する必要があります。(市区町村の条例で、だいたい14日以内で公開するよう、決められているようです。)
もし、公開希望の文書に、市区町村以外の第三者の情報が含まれる場合は、その第三者に確認をとるため、さらに14日延期されます。したがって、最大でも28日以内に、開示するか、不開示にするかの判断をすることになるようです。
情報公開請求書に記載する内容
情報公開は、あくまで、行政文書の公開を請求する制度ですので、請求書には、具体的に、何の文書の公開を希望しているのか、記載する必要があります。請求書の様式に、「行政文書の名称等、公開請求に係る行政文書を特定するに足りる事項」を記載するよう、指示があると思います。
つまり、請求先(役所側)が、「あ、この文書が見たいのか!」と分かるように、記載する必要があるということです。保育園のことを教えて!では、どの文書か分かりません。
そこで、保育園の一次申請の、入園承諾者の最低点を知りたい場合に、請求書に記載する公開文書についてどう書けばいいか、いくつか、例を考えてみました。
① A保育園の合格最低点を知りたい場合
「令和2年度 保育施設利用調整(「保育施設利用調整」部分は、各自治体から届いた、不承諾の通知書の題名に置き換えてもOK。)にかかる、A保育園の●歳児の、利用決定者の最低点数がわかる文書」
② 自治体内の全部の認可保育園の最低点が知りたい場合
「令和2年度 保育施設利用調整にかかる、市(区町村)内の全ての保育園・認定こども園の、●歳児の、利用決定者の最低点数がわかる文書」
こんな感じかなと思います。請求するのは、文書ですから、最後は「文書」で、締めます。また、●歳児、と特定しないと、園の全学年を通しての、最低点しか教えてくれない場合があり、二次申請には役に立ちません。
情報公開請求書を出したあと
請求書を出すと、文書を持っている役所の担当課(保育園がらみは、だいたい保育課)が、法律や条例に基づき、公開してもいいかどうかの判断をします。そして、14日(もしくは28日後)に、郵送や、文書で、公開できるか、できないかを知らせてくれます。
結果を知らせてくれる方法については、提出の際に、しっかり確認しておきます。郵送だと思っていたら、手交(手で渡す)のみだった、みたいなこともあり得ます。
わが家の場合
ここまで書いていますが、わが家は、行政文書開示請求書を実際に提出するまでは、していません。ですので、どういう結果(文書)が、実際に返ってくるのかは、分かりません。
昨年、保育園に落ちた際、保育園担当課の窓口で、最低点を聞くと、最初、「個人情報保護の観点から、お伝えできません」と言われました。
しかし、いったん引き下がり、情報公開制度のことを調べて、役所に勤める友人にも聞いて、再度、窓口で、「必要があれば、情報公開請求をします。口頭で教えてえいただけない場合は、行政文書公開請求書を提出します。」というと、結局、窓口で、希望園していた(つまり落ちた)園の、最低点数を教えてもらえました。教えてもらう前には、担当者が、窓口から離れて、上司と思われる方と相談していました。
ただし、募集人数が2名以下のところは、本当に、教えてもらえませんでした。この、募集人数が2名以下の園については、個人が特定される恐れがあるため、個人情報保護の観点から、開示できない、と説明を受け、納得して、引き下がりました。
この経験から、少なくとも、私の居住地の役所では、募集人数が3名以上の場合は、情報公開請求をしたら、公開対象になるのではないか、と予測しています。
全ての自治体で、保育園の最低点数が、情報公開の対象文書になるかは、分かりません。
すごく複雑な点数制度や、基準を設けている自治体では、点数を開示すること自体が、個人情報を出すことに等しくなると判断される場合もあり、対象外の可能性もあります。
それでも、入園者の最低点は、二次申請の希望園を決める際には、かなり重要な情報となります。(詳しくは、保育園落ちた(1)の記事を参照してください。)
www.workingmother-rikumiler.com
できる限り食い下がって、納得のいく説明を受けてください。
最後に
個人的な見解で恐縮ですが、保活、特に入園申込の一次申請で不承諾(全滅)となった後の、二次申請では、役所の担当者の人の前で、泣いたり、怒ったり、困った状況を説明するより、役所が持っている、住民を守る制度を使って、正当にプレッシャーをかけるほうが、効果があるように思います。
特に、フルタイム育休明けで、不承諾(全滅)になるような、保育園に入りたい人が多い自治体では、泣いたり、怒ったり、困っている人は、たくさんいるため、「あ~、また泣いちゃった」、みたいなに思われてしまいます。
(実際は、役所の担当者の方は、気の毒な顔をして対応してくれます。しかし、本心は、またかーと思っているのではないかと。間違っても、泣いたり怒ったりしたら、隣にいる、同じくフルタイムで全滅した人より、点数を高くして、入りやすくしてくれる、ということは、ないと思います。)
保活で苦労している、お父さんやお母さんは、保育園に入園した後は、復帰して社会に出て、バリバリと仕事をしていくはずです。ですので、できるだけ冷静に、淡々と、必要な情報を手に入れて、目の前の課題を、クリアしていただければと思います。
この記事が、誰かのお役に立って、一人でも多くの方が、保育園に入園できるとうれしいです。
お役に立てましたら、ポチっとお願いします。ブログ村に遷移します。