電子図書館をご存じですか?
電子図書館とは、簡単に言うと、電子書籍を借りられる図書館です。
この電子図書館、とりわけ市町村など自治体が設置している公立電子図書館うまく使うと、無料で本(電子書籍)が読み放題になります。
先日、自治体の電子図書館を利用したところ、とっても便利でびっくりしたので、今回は電子図書館を紹介したいと思います。
電子図書館とは
電子図書館とは、コンピュータ・データベースを利用した、ウェブサイトによる新たな図書館で、市町村などが設置しています。公立図書館の電子書籍版と考えると分かりやすいです。
いつでもどこにいても、インターネットを通じて電子書籍の検索・貸出・返却・閲覧ができます。
お住まいの市町村で、公立図書館を利用したことはありますか?
公立図書館は、市町村や都道府県や国が税金で運営しています。その自治体に住んでいる人は、誰でも図書館の利用ができます。
公立図書館で本を借りる場合、通常、図書館という場所に足を運び、初回は貸出カードを発行して、本を選び、貸出手続きを行う必要があります。
最近は、ホームページ上から蔵書検索をしたり、予約をしたり、予約を延長することはできますが、本を借りる場合は物理的に図書館に行き、返す場合は物理的に図書館や返却ポストまで本を持って行かなければなりません。
しかし、数年前から始まった電子図書館では、ネット上の手続きのみで、図書館に足を運ぶことなく、スマホやタブレットから電子書籍の貸出や返却ができ、借りたその瞬間から、スマホやタブレットで電子書籍を読むことができます。
電子図書館を利用する条件は?
公立の電子図書館を利用するための条件は、
・貸出カード(利用者ID)があること
この3つです。
電子図書館を設置している市町村の、公立図書館の貸し出しカードを作れることができれば、電子図書館を利用することができます。
電子図書館を設置している市町村に住んでいる場合はもちろん電子図書館を利用できますし、市町村によっては、勤務先や通学先が当該市町村であれば公立図書館の本の貸し出しをOKとしていたり、隣接市の住民も貸し出し利用OKとしていたり、太っ腹な市町村(政令市など)は住んでいる場所にかかわらずだれでも貸し出しが利用OKだったりします。(そもそも公立図書館では、図書館内の本の閲覧利用であれば、どの図書館でも誰でもどこに住んでいても利用できます。ふらっと旅行先の図書館に入って本を読むことも可能です。)
つまり、太っ腹な市町村が電子図書館を運営していれば、自分が住んでいる市町村には電子図書館がなくても、とりあえず貸し出しカードさえ作れば、電子図書館を利用できるようになります。
株式会社図書館流通センター(TRC) ||電子図書館サービスTRC-DL:導入事例(図書館ツール)
電子図書館(電子貸出サービス)実施図書館(2018年7月1日) 電流協
私は、通勤先の自治体が電子図書館を設置していたので、貸出カードを作成して電子図書館を利用しました。
電子図書館の利用方法
では、電子図書館の利用方法を説明します。一言メモも添えます。
1.貸出カードを作る
まず、利用しようとする電子図書館を設置している自治体の図書館の貸し出しカードを作る必要があります。
公立図書館では、貸出カードを作れる人を制限していることが多いので、貸出カードの発行の権利がない人(例えばその市町村に住んでいない人)は、電子図書館も利用できません。
2.自治体の電子図書館のホームページなどから電子図書館利用設定を行う
電子図書館の利用には、電子図書館用のIDとパスワードの設定が必要ですので、これをオンライン上で行います。
自治体によっては、本物の図書館で申込書の提出が必要なところもあります←電子図書館なのにセンスがない
3.本を借りる
IDとパスワードの設定が終わったら、電子図書館のホームページからログインを行います。
ログイン後は、検索バーやジャンル区分を使って本を探します。お目当ての本が見つかれば、その本を「借りる」ボタンを押すとすぐ借りられます。
借りた瞬間からその本が読めます。
目当ての書籍が貸し出し中の場合は、「予約する」ボタンが出てくるので、それを押すと予約できます。予約した本が読めるようになった場合は「予約していた本が読めるようになった」という連絡があります。
4.本を返す
借りた電子書籍については、貸出期間(2週間くらいの自治体が多い)が終了すれば、自動的に返却されます。自動的に「借りている本リスト」から消え、何か手続きをする必要はありません。もちろん本を返しに行く必要もありません。
また、借りてみて少し読んでみて「あ、これは続きは読まないな」という本は、すぐに「返却」ボタンで返却することができます。
5.借りられる本の数
借りられる本の数は、自治体により異なりますが3冊くらいのところが多い印象です。予約も3冊くらいのところが多いです。
3冊だと少ない!!と思うかもしれませんが、読み終わった本やチラ見して合わなかった本は、「返却する」ボタンで一瞬で返却でき、返却すれば次の本が借りられますので、3冊が上限でもそれほど不便はありません。
6.貸出期間の延長
貸出期間は2週間のところが多いですが、図書館によっては、貸出期間の延長が可能です。資料の貸出を延長する場合は「延長」ボタンを押すだけで貸出延長手続きができます。
7.本の読み方
電子図書館の電子書籍は、ブラウザ環境で閲覧します。データをダウンロードするわけではありません。
利用できる端末のOSやブラウザは、リンクで紹介した「図書館流通センター」の電子図書館システムを導入している自治体の場合、以下のとおりです。
(利用できるOS)
Windows 7 / Windows 8.1 / Windows 10、Mac OS X 10.8以降、iOS 7以降、Android 4.1以降
(利用できるブラウザ)
Internet Explorer 11 / Microsoft Edge / Google Chrome 31以降、Safari 7以降、ブラウザ:Google Chrome 31 以降
いわゆる普通のパソコンやスマートフォンでは、ほぼ問題なく利用が可能だと思います。
AmazonのkindleタブレットやFireタブレットは、Amazon独自OSが使われていますが、Amazon独自OSはAndroidベースのOSなので使えるんじゃないかなと思います。
わが家にkindleタブレットがないので、もし利用を試してみた方がいたら、結果を教えていただけると助かります。
なお、ブラウザで閲覧しますので通信料がかかります。
本を読むときは、クリックやタップでページをめくることができるます。
そのほか、目次から目当ての箇所を開いたり、本文から文字を検索したり、一定時間で自動的にページをめくることもできます(手が離せる)。
本の種類によっては音声読み上げも可能なので、料理や家事をしながら、電子書籍を朗読してもらうこともできます。
8.利用料金
全て無料です。公立図書館ですので利用料はかかりません。
読み放題になります。
電子図書館のメリットとデメリット
個人的には、かなりお勧めの仕組みだったのですが、電子図書館を使ってみたメリットとデメリットを考えてみました。
電子図書館のメリット
その場で本を借りてその場で読める
電子図書館では、本を検索し、その本が貸し出し状態であれば、すぐに借りて読み始めることができます。本を借りに行く時間も図書館で本を探す手間も不要になります。
私は、子どもの寝かしつけの時間にベットの中でスマートフォンを使って本を借りて読んだりしていました。
本を返しに行く必要がない
電子図書館では、借りた本は2週間たつと自動的に返却されて借りた本リストから削除されますので、本を返しに行く必要もないですし、本を返すスケジュールを把握しておく必要もありません。スケジュールを管理する必要がないのが、子育て中の私には地味にありがたいです。
借りた本で読まなかったり読み終えた場合は、クリック一つで返却でき、新しい本が借りられます。私は、るるぶを借りては返し借りては返しして、旅行に行った気分になっています。
本を探すのが容易
通常の公立の図書館でも、最近はホームページから蔵書検索や検索後の予約ができるところも多いですが、電子書籍の場合は100%蔵書検索が可能です。
読みたい本が決まっている場合や、特定の著者の本を全て読みたいなどの場合は、検索して出てきた書籍をかたっぱしから読み始めることができます。
何時(いつ)でも借りられる
通常の公立図書館の場合、開館時間が決まっています。その時間内に本を借りに行かなければ、本を借りることはできません。
しかし電子図書館では、夜中でも休日祝日でも、いつでも何時でも、本を借りることができます。なので、子どもの寝かしつけをしながら本を借りて読むことが可能になるのです。
お風呂に入りながら、食事をしながら、仕事の帰りに電車の中で、本を借りて読むことができます。(通信料はかかります)
複数の自治体で登録できる
上でも説明したように、そもそも公立図書館は、そこの市町村に住んでいる住民だけではなく、隣接市町村の人や通勤通学する人も図書館での本の貸し出しを利用可能にしている自治体が多く、電子書籍についても、自分の住んでいる市だけではなく隣接市や勤務先の会社のある市町村でも、利用者登録が可能です。(おそらくお互い様理論)
住んでいる市の電子図書館には借りたい本がなくても、他の市で探せば本があるかもしれません。そして、他の市で借りたい本が見つかった場合、タブレットやスマホでその場で本を借りて読むことができます。
紙の図書館だと、隣の市の図書館が利用できたとしても、わざわざ隣の市まで本を借りに行くのは大変です。
この点、電子書籍は距離と時間がゼロになるので、住んでいるしでも、隣の市でも、勤務先の市でも、何の問題もなく借りられます。これが思ったよりかなり便利です。選択肢が広がります。
電子書籍のメリットを享受できる
電子書籍は、検索や読み上げ、目次からのページを進めたりするのが簡単です。こういった電子書籍独特のメリットを、電子図書館では全て利用できます。読み上げソフトを使って、家事をしながら文学を読み上げてもらうなども可能です。
参考書などがある場合も
資格試験の本だったり、英語学習用のテキストも、電子書籍として電子図書館で借りられる場合があります。しかも、英語学習テキストの場合、音声データもあるので、リスニングの勉強に使えます。新型コロナウイルス感染症の影響で学校が休校になった時期から、特にこういった子ども向け勉強用教材が充実してきたようです。タブレットで参考書を見ながら音声を聞きながらの勉強は、紙プリントで勉強するより楽しいかもしれませんね。
電子図書館のデメリット
オンラインでの利用しかできない
現在の公立電子図書館は、ほとんどが、ブラウザで閲覧する形をとっています。そのため、読んでいる間、通信費がかかります。kindleのように、データを保存する形ではありません。
少し調べてみたところ、10分の読書で、5MBくらいのモバイルデータ通信が必要でした(私のスマホ調べ)。ブログをデータ通信環境下で読んでいるのと同じくらいですね。
ですので、じっくり電子図書館の書籍を読む場合は、Wi-Fi環境下での読書がおすすめで、通勤途中の電車や、待ち合わせ場合での時間つぶしの読書などは、データ容量が大きくなる恐れがあります。
これは電子図書館を利用する、一番残念なところです。
私は通勤途中に読書をすることが多く、スマホのデータ容量は経費節減のため3GBくらいの契約にしているので、外で読むのは難しいです。
大きな都市で、駅や電車にFreeWi-Fiなどがあれば利用のハードルはぐっと低くなります。私も、カフェで利用する場合はfreeWi-Fiのあるお店を選ぶようになりました。
書籍数が限られている
現在電子図書館で蔵書している本の数は、やはり通常の紙の本より少ないです。私が利用した電子図書館でも、本の種類は普通の図書館よりかなり少ないなというのが正直な印象です。
ここは、今後の進展を待ちたいと思います。
ただ電子図書館の場合、上にあげたように、住んでいる市以外の図書館でも、条件を満たせば利用できます。そして、電子図書館の蔵書は市町村によって異なり、借りられる電子書籍に違いがあります。
複数の市町村の電子図書館の利用登録をして、いくつか検索すれば、読みたい本を電子図書館で借りられる可能性が高まります。
実際に、私の読みたい本で「ここの市なら借りられる!」という本もありました。
もしかしたら、電子図書館のホームページなどから、「この本が読みたい」とリクエストすると、読める本が増えていくのかもしれません。
まとめ
電子図書館を利用した感想としては、ブラウザでの閲覧というところだけがネックで、あとは本当におすすめです。
一度知ってしまうと、利用しない理由がないくらいです。
アメリカではアマゾンがデータ保存形式(ダウンロード形式)で公立の電子書籍を展開し始めたようです。日本での提供が始まれば、ブラウザでの閲覧の必要がなくなり、電子図書館で借りた本を、電車で読んだり公園で読んだりできるなど、さらに便利になるかもしれません。
現状のブラウザでの閲覧であっても、自宅にWi-Fi環境がある場合は制限なく普通に電子図書館の本が読めますし、スマホの契約でデータ容量を大きくしておけば、外でも特に気にすることなく利用することが可能になります。
とりあえず、多少通信料がかかっても、無料で、片手の操作一つで本が借りられてすぐ読めるのは、ものすごく便利です。
登録も利用も無料で、アプリのダウンロードなども不要ですから、利用できる人は、一度試してみる価値が十分にあると思います。
せっかく私たちの税金で、自治体が無料の電子図書館を提供してくれているわけですから、ぜひみなさんも、電子図書館をのぞいてみてください。
(あわせて読みたい)
www.workingmother-rikumiler.com
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