ワーキングマザー陸マイラーが今日も行く

フルタイム共働きのワーキングマザーです。陸マイラーもやっています。

季節を感じさせる子育てが難しい時代の到来を感じた話

先日、約120年ぶりに2月2日が節分になる「節分の日」がありました。

 

わが家は関西在住、「節分には恵方巻と豆まき」が小さいころから慣れ親しんだ風習でした。

 

 

スーパーの恵方巻

 

節分の日、仕事帰りに駅前のチェーン店スーパーに寄ったところ、既に恵方巻が売り切れになっていました。

 

私は早出早帰り勤務をしており、17時に仕事を終えて、スーパーに寄ったのは18時です。フルタイムワーキングマザーとしては、よくある帰りの時間帯です。 www.workingmother-rikumiler.com

 

 

しかしその時間で既に、恵方巻が1本もスーパーには残っていなかったのです。

 

 

保育園の福豆

 

もう1つ。

子どもが通う保育園でも節分の行事が行われました。

 

鬼が来て、園庭で打合せ(酒盛り?)をした後、各部屋に鬼が襲いにくるのを、豆を投げて撃退するという流れだったようです。わが子は大泣きしたようですが、それでも何とかみんなで豆を投げて鬼を追い払ったそうです。

 

 

節分の日の帰り、目に入った保育園の掲示板に給食の献立変更のお知らせが掲示されていました。

 

3歳から5歳に出す予定だった福豆を中止しますという内容でした。理由は、令和3年1月30日に国から5歳以下の福豆は控えるように通知が出たためでした。

 

 

1月30日に国からの通知を受け、既に準備していた福豆を提供しないことを決めたのでしょう。わが子は2歳児クラスなので、もともと給食に福豆が出る年齢ではなかったのですが、わが子の通う園は、今年は給食に福豆が出なかったようです。

 

 

 

2つの出来事から考えたこと

 

この2つの出来事を受けて、今後の共働きでの子育てについて考えました。

 

 

関西の風習だった恵方巻が全国に広がり、コンビニでも売られるようなったころから、コンビニやスーパーで大量の恵方巻の在庫余りが出るようになり、廃棄されたり、コンビニのアルバイトさんたちが販売ノルマを課せられて大量に恵方巻を買い取ることになったりして社会問題化しました。

 

恵方巻はお寿司ですから日持ちしません。全国に広まった関西の恵方巻文化で、全国的にその日しか食べない恵方巻の生産大量廃棄が発生たため、その後コンビニなどでは、恵方巻は予約販売されるところも多くなりました。

  

ただ関西では、少なくとも去年まではそれなりに夕方のスーパーでも販売していました。人気のもの(海鮮もの)が無くなることはありましたが、普通の一般的な恵方巻は、夕方18時に売り切れということはなかったように思います。

 

 

しかし今年は売り切れでした。節分の次の日、勤務先の同僚から恵方巻が買えなかったという声をたくさん聞いたので、私の寄ったスーパーに限った現象ではなかったようです。

 

スーパーが廃棄を減らすために生産量を減らしたことが原因か、コロナ禍で外食が減り自宅で食事をする人が増えて必要な恵方巻の本数が増えたことが原因かはもう少し分析が必要ですが、恵方巻が、節分の日の18時のスーパーですでに売り切れていることは、今年だけではなく来年も続くかもしれません。

 

お寿司は、週末に買いだめしてストックしておくことはできませんので、当日買うしかありません。しかしフルタイムで働き、仕事を終えて18時にスーパーに寄っても、もう恵方巻は手に入りません。勤務前に寄れるほど早朝から開いているスーパーもありません。 

 

もちろん、スーパーでもお寿司屋さんでも、事前に予約をすれば恵方巻は手に入ります。しかし、ネット環境も整わない近所のスーパーで、手書きで事前に予約をして当日受け取りに行くことは、節分に恵方巻を食べる風習に「予約」というタスクが加わることになります。

 

そしてネット予約の環境が整備されたチェーンのお寿司屋さんに、フルタイムの勤務後に幼児を連れてお寿司を受け取りにいくのは、実際はかなり大変です。たいていの親は自転車や徒歩で保育園の送り迎えをしています。登園途中や家の近所にチェーンのお寿司屋さんがある地域ばかりではありません。

 

わが家はチェーンのお寿司屋さんだと車の距離なので、恵方巻を取りに行くくらいならもう外食がしたくなりますが、幼児を連れて平日の中日に外食をするのも、大変であることには変わりありません。

 

節分の日に恵方巻を食べるという、昔から続いていた関西の風習は、来年以降、共働きフルタイムワーキングマザーには敷居の高いイベントになりそうです。

 

 

 

 

保育園の給食での福豆の提供も、来年以降も中止になり、節分の豆が保育園で提供されることは、もうないでしょう。

  

共働き家庭で育ち保育園っ子だった私は、節分の日に保育園で鬼退治をして、その後落花生を2つほどもらい、自分で剥いて食べたことを今でも覚えています。そして、その時に囲んでいた焚火の暖かさや、先生に落花生に割ってもらうために並んで待っていた風景も記憶に残っています。

保育園では落花生を食べ、家では福豆を食べ、「年齢+1」個を超えちゃうけれど大丈夫なのかと子ども心に心配したことも覚えています。

 

こういった記憶を、わが子は経験せずに保育園を終えるのかと思うとなんだか少し寂しく感じます。

 

保育園の給食で福豆が必須だとは思いません。豆よりも命のほうが大切であることは百も承知です。しかし、国が通知を出して全国の幼稚園保育園の給食から豆を排除することが本当に必要だったのかについては、すこし立ち止まって考えてみたいと思います。

 

 

乳幼児の誤飲事故は命に直結します。ただ、誤飲の原因は豆だけではありません。ぶどうでもミニトマトでも、ソーセージもパンもご飯も、誤飲の原因として上げられています。www.jpeds.or.jp

 

 

豆は誤飲を起こしやすく、誤飲からの窒息は命に関わります。

豆以外の食材も、誤飲を起こしやすいものはたくさんあります。パンでもご飯でも、学校や保育園・幼稚園で誤飲事故が起こっています。

 

 

日本小児科学会のWebページでは、豆の誤飲を防ぐ方法として4歳以上に与えるという方法が示されています。

 

保育園の4歳・5歳児クラスや幼稚園の年中さん年長さんは4歳以上です。

5歳以下は全て禁止する国からの通知は、本当に必要だったのでしょうか。

 

誤飲の最大の防止策は、食べている途中にしゃべったり泣いたりせず、大人の見守りの下で落ち着いてよく噛んで食事をすることです。そして適正年齢に適正な食事を食べさせることです。

 

保育園では保育士の配置基準が定められています。0歳なら3人の子どもに対し1人の保育士を、1歳なら5人の子ども1人の保育士を配置するという基準です。4歳以上なら30人の子どもに1人の保育士です。

 

この基準の下では、子どもに落ち着いて大人の見守りの下で食事をさせることが難しいということであれば、誤飲を防ぐために誤飲しやすい食材を提供しないこともすべきでしょう。

 

しかし誤飲を防ぐために配置基準を見直すとか、給食時間は大人の見守りの人数を増やすことで、食材を提供しないという方法を取らずとも誤飲を防ぐことはできます。

 

配置基準は30人に1人の先生でも、園児数が少なかったり、配置基準より多い先生を配置していたりして、大人の目が行き届く園も中にはあります。

 

そういった個々の状況を一切考慮せず、誤飲を防ぐ方法として国から通知を出してまで、小児科学会の基準を超えて「福豆を5歳以上には提供しない」と決めてしまうことが、子どもの発達にとって正しい方法だったのか、私は疑問に感じています。

 

 

たかが福豆ですが、子どもには1年に1度しかない貴重な体験です。

 

そして保育園は福祉施設であり、働いている家庭や家庭養育が困難な家庭の子どもが通園します。節分の行事一つでも、保育園でしか体験できない子どもも中にはいるでしょう。また家庭で節分行事をする子どもたちにとっても、友達と鬼を退治して、1年の幸福を祈って福豆を食べるという機会は、私のように大人になっても覚えているほどかけがえのないものです。

  

わが家は、去年も今年も子どもに福豆を食べさせました。去年は半分に割って、今年は普通にそのまま出しました。(去年も、半分に割ったものを食べ切った後、親の分として取り置いていた割っていない豆も食べていました)

 

親と一緒に、夕食後の落ち着いた時間に、テレビを消してよく噛むよう指示をしながら、年齢+1を一緒に数えながら食べさせました。年齢+1を大幅に超えた数を、ポリポリとよく食べていました。

 

節分の日には恵方巻と福豆を食べること。

古くから続いてきた風習ですが、でも今後は、恵方巻は当日のスーパーでは買えなくなり、福豆は保育園では提供されなくなります。

 

共働き家庭では、家庭でも保育園でも、季節を感じさせる子育てが、今後少しずつ難しくなっていくのかもしれません。

 

共働きで子育てをすることのハードルが上がり、共働き家庭のお父さんお母さんが少しづつエネルギーを削られていくことがないことを祈ります。

 

それではまた。

 

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